終わらない侵略

私もあなたもこんなことをしている場合ではない。

カニ

 

 

季節外れの雪が降った。

 

もう4月も半ばだというのに、まだ春の気配が見えない。

桜が咲かない。

暦の上では春でいても、人も獣も気分はまだ、冬のままだ。

 

氷になってしまった人涙の川はいつになったら溶けるのだろうか。

 

桜の花はいつになったら咲くのだろうか。

 

そんなことを考えながら、

手の乾燥を防ぐ為、ハンドクリームを塗る。

 

 

 

窓の結露がいつにも増して大量についていて、

なんだか気持ちが沈んでしまった。

 

カビが生える気がして気持ち悪くなるから。

 

気分が沈めば思考が止まり、

頭の中は空っぽの虚無人間になる。

 

虚無という言葉を悲観的にみるならば、

何か心に穴が開いたような、そこはかとなく暗く気分が滅入る気がするが、

本来の意味は決して悪い意味ではない。

 

虚無があるから人は優しくなれる。

 

窓についた結露はいずれ私に春風を運ぶ。

 

 

心の中の孤独に触れた時、人は自分以外の誰かを愛しく思い、

それは "誰か" かもしれないし、"何か" かもしれない。

 

皆誰もが持つ使命

生まれながらにして与えられた使命を、

命尽きるまでに遂行することこそ

生きる意味であり、死ぬ理由である。

 

生きている意味が無いと思うなら、

自分の生きてきた道を振り返れば良い。

 

あぁ、そうか。

これは私ではない、あなたが言った言葉だったね。

 

話を戻すが、

 

あなたはまだ使命を遂行していない。

自分の使命が何であるかもまだ知らない。

 

まだ死ぬ理由が無い。

 

過去に縋りつくのではなく、

未来を見て欲しい。

 

 

私は自分の命を捨てても、守り抜く

 

この愛は、冷たい雪を雨に変え、厚い雲を動かし、春の温かな日差しを連れてくる。

 

 

生きててくれて、ありがとう

 

時期遅れの桜が咲いても、

私はまだあなたの側にいるから。

 

一見理由のない涙にも、必ず理由があるように

皆誰にも、必ず生きる理由がある。

 

 

水溜まりに映る青空に、桜の花びらが落ちた

今年は花見でもしようか。